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No.38 女ったらし人生のつけ

 



 前回のコラムで、マウイ在住のアンクル(義母の異父弟)の結婚式ドタキャン騒ぎの2週間後に、新しい彼女を連れて我が家にやってきたことを紹介しましたが、義母にその後結婚しようとしたコロンビア人女性とは連絡とっていないのか尋ねると、「あの後彼女から手紙が来たらしいけど、読まずに捨てたらしいわ」と言いました。義母が、「読めばよかったのに」と言ったら、「もう終わったことだから」とアンクルは返答したそうなのです。そう聞くと、気持ちの切り替えも早いアンクルなのかと思いますが、これがまた前妻とゴタゴタもめているのです。


 前妻とは、昨年15年近く続いた結婚にピリオドをうったわけですが、その原因が彼女の若い男性との不倫でした。彼女は、離婚後トットとその男性と再婚。結婚式の写真をSNSで目撃し、私たちは「もう再婚したの?!」と驚き、まるで「私の勝ち!」と言わんばかりの雰囲気が写真からとって読み取れました。その後判明したのが、実はその男性とは離婚する2年前からつきあっていて、ちょうどアンクルとの間に1歳にならない男の子を養子縁組した時期と重なるのです。


 義母曰く、前妻は、養子をもらえば夫婦仲の絆が深まると期待して決めたというのですが、私には全く理解ができません。さらに、離婚時に、親権を半々にしたのを、不倫相手と結婚したと同時に、前妻は親権を放棄。その後アンクルが再婚すると噂で聞きつけて、子供が通うプリスクールにのり込んできたらしく、要は、子供にかこつけてアンクルが本当に結婚するのかを確かめにきたようでした。「私より幸せになるんじゃないわよ」というような変な競争心が見え隠れするのです。(きっと結婚が破断になったと知った時は陰でほくそ笑んでいたに違いないと想像します。)それから、どういうわけか不明ですが、親権が半々に戻ったようでした。


 そして、今はまた「私が親権全権持ちたい」と訴えているというのです。それを聞いた瞬間に、何か裏がある!と直感し、義母に詳しく話しを聞いてみると、案の定お金の問題でした。どうやら新しい夫は定職についていないらしく、お金に困っていて、親権全権もてば政府からのサポートがもらえるという魂胆の様でした。やっぱりな、純粋に子供が可愛くてじゃないよな、と残念な形で腑に落ちました。子供がすっかり醜い争いの道具となってしまい不憫でなりません。



 私たちはアンクル側の人間なのでついアンクルに肩をもつ見方をしてしまいますが、きっとこんな風になってしまった原因はアンクルにも何かあったのだとは思います。ただ義母も、コロンビア人女性の時のように「もう終わったことだから」と毅然とした態度を前妻にもしてくれたらいいのに!と思っており、私も思わず、「コロンビア人の彼女は遠く離れたテキサスに住んでいる人でよかったよね。これが同じマウイ島だったらきっともっとややこしくもめていただろうね」と言いました。

 前回のコラムで予測した通り、やっぱり義母は異父弟のゴタゴタに付き合わされています(苦笑)


*注意* このコラムは、2017年6月に「日刊サン」に掲載されたものです。


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