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NO.58 変わり者ってどんな人?!




ちょうど3年くらい前に、こちらで「普通の人ってどんな人?」というコラムを書きました。移民で成り立つハワイ(アメリカ)では、多種多様な文化のバックグラウンドをもった人たちが集まっているので、”普通”の基準というものがない、というか、日本人の思う普通という枠にあてはめることができないわけですね。どんな人も「個性的な人」として受け入れます。そこで最近ふと思ったのは、じゃぁ、逆に、アメリカ人にとって「変わり者」ってどんな人を指すんだろう?って。 例えば、先日ある日本人の知人女性をみていて、失礼ながらも「この人変わった人だなぁ」って心の中で思っていました。多分日本だったら、ちょっと敬遠してしまったかも・・ ところが、周りにいる共通の友人ローカル女性やプエルトリコ出身の女性(注:うちの家族メンバーではありません)は、”She is very nice and funny!”と彼女に好意をもち受け入れています。その姿をみて、「そっか、外国人からしたら『変わった人』には映らないんだなぁ」と気づいたのです。 私の了見の狭さに恥ずかしくもなりました。



 また振り返れば、「私も十分日本では変わった人って思われてただろうなぁ」と。小中学校は、小さい頃から一緒に育った子達で囲まれていたので、さほど目立たなかったけど、新しい人たちで構成される高校生活は、全く馴染めず浮いた存在でした。大学時代は友達が精神的にオトナな子たちが多くて受け入れてもらえていたけれど、それでも客観的にみて、私も「だいぶ変わった人」だったと思います。社会人になってからは、多国籍の職場だったので、日本の一般的な会社に比べてリベラルな環境でしたが、それでも「変な子」って思われたくなくて、できるだけ普通にいようとしたし、今思うと、日本の「⚪︎⚪歳の女性はこうあるもの」という暗黙の了解の枠に一生懸命自分をはめようとしていたな、と思います。そんな生活に息苦しくなって、日本を飛び出しこうしてハワイにやってきたわけですが、すると今度は「変わり者」だらけ(笑)。私は逆に平凡でつまらない人間に思えるほど。結局その人たちも変わり者ではなく、個性あふれる人たちなだけ。



 じゃぁ、アメリカ人が” He/She is weird”って思う人って一体どんな人を指すのでしょうね? これだけ個性を認め、許容範囲が広いアメリカで「変わり者」の定義ってすごい難しいですね。多分いきつくところは、「意思の疎通が難しい人」なのかな。違う価値観で育った人間どうしが理解しあうのはコミュニケーションをとり、そこでお互いを認め合っていくしかないですよね。多民族のアメリカは特にコミュニケーションをとることが求められるわけです。カレッジでエッセイの書き方を勉強した時も、「なんでこんなに同じ内容を繰り返し書かないといけないんだろう」と思い、アメリカには「行間をよむ」なんてありえないのだと学びました。というより、行間をよむことをしたら、逆に、誤解をうむのだな、と気づいたのです。つまり、日本人からしたらくどいくらいに説明をしてでも相手に伝えることをする。それができないと「変わり者」に映ってしまうのかなって思うのです。冒頭に書いた女性も、その基準からいくと、誰とも隔たりなくコミュニケーションはとるし、それこそ何でも口に出して話すから、だから決して「変わり者」には映らないんですね。


写真: ワイキキを歩いていた時に偶然出会ったマーメイドたち


注* このコラムは、2019年3月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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