• Miki Cabatbat

NO.54 キャットフィッシュ事件



 人気テレビシリーズの題名にもなっている「キャットフィッシュ」。数年前には、ハワイ出身のNFLプレイヤーマンタイ・テオがキャットフィッシュにひっかかり大きな話題にもなりましたよね。いわゆるオンライン上で架空の人物になりすまして相手を騙す行為です。実は、我が家も義母がキャットフィッシュにあい大騒動でした。



 3年前に義父が亡くなってからというもの、義母は寂しさを紛らわすかのようにあちこち旅行に行っています。また、スマホでできるワードゲーム(スクラブルのようなもの)にはまっていて、毎日のようにやっています。このゲームではランダムに世界中でプレイしている人たちとも対戦ができます。今年の初め頃「今ね、ゲームで知り合った男性とよく会話しているのよ」と言っていました。嬉しそうに話すので、気の合う話し相手ができてよかったなぁ〜と、あまり気にもとめていませんでした。



 ところが、8月に入ってから義母が急にまたその男性のことを話し始めたのです。それはもう恋する乙女状態で、誰かに聞いてもらいたくて仕方ない!といった感じ。とうとう相手の男性の写真も私たちに見せてきたのでした。義母より7歳年下の50代後半の白人で、子どもの頃はイスラエルに住んでいて、その後親が離婚し、ジャーナリストの母親とアメリカに引っ越してきて、現在はアラスカ在住という話し(設定)でした。一度口火を切ったらとめられない義母は、それからは私も含め周りに毎日相談しまくっていました。



 そしてある日「みきに意見を聞きたいの」と言われ、何事かと思ったら、「いま彼はトルコに出張に行っているんだけど、『1日も早く君に会いたい。往復券買うからトルコに遊びに来ないか?』って誘われたの。どう思う?」って言うのです。それまでも、2人の間で「年内に会おう」という話しはしているとは聞いていたのですが、この性急な様子に不安を感じ、「アラスカ在住の人だよね?だったら、トルコ出張の帰りにハワイに寄ってもらうとか、それか米本土で落ち合うとかにしたらどう?」と言ったのですが、彼の仕事柄出張がいつまでになるかわからないという話し。義母は私に相談しつつも心では「行きたい」と思っているのが伝わってきて、最後は「自分の気持ちに従うのがいいと思う」と言いました。今となっては不幸中の幸いで、ちょうど翌日からテキサス在住の義母の親友が、2週間我が家に宿泊予定だったので、その親友が帰った後にまた話し合う約束になっていたのです。ところが、その後すぐにまさかのキャットフィッシュだったと判明したのでした。相手は、30代のナイジェリアに住む男性だったのです! 



 結局それまでチャットか音声電話でしか話したことがなく、「一度ちゃんと顔みて話したい」と義母がしつこく言い続け、それに相手も観念しfacetimeをしたことで正体がわかったのでした。相手は何度も謝り続け、ばれた翌日も謝罪の連絡をしてきたようです。もちろん義母は完全ブロックしました。1年近くに渡る恋物語が偽りだったというオチだったわけですが、義母は落ち込むどころか「もう私、笑ちゃったわ!!」と文字通り笑い飛ばした逞しい姿に、私は感動すら覚えました(笑)


注2* このコラムは、2018年10月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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