• Miki Cabatbat

No.49 アメリカにない洋食

最終更新: 2018年6月8日



前回のコラムで、義弟が11年前に日本に遊びに行った時のエピソードをご紹介しました。六本木に一人で遊びいったバーで、小指のないバーテンダーを見た瞬間に「子供の時にディズニーチャンネルで、日本で小指のない人はヤ⚪ザだと思い出した」と言っていましたが、今更ながら映像は、世界の文化を学ぶツールだなと思います。



 私は、30代半ばにしてハワイに引っ越してきたわけですが、そこで例えば、プロムパーティーを目にし、ブライダルシャワー、ベイビーシャワー、はたまたこちらのウエディングを体験して、その上で改めて昔みた映画などをみてそんなシーンがでてくると、まるで初めてみたかのような全く違う感覚で観ることができ感動したものです。日本にいた時は、何をみてもなんとなく頭で「アメリカってこんなことやるんだ」と頭知識として入ってくるだけで実感がこもらなかったことが、今はそれが一体どんなものかわかるので、感情移入しながら観ることができるようになったわけです。



また逆に、こちらのヒストリーチャンネルやフードチャンネルなどが日本の特集しているのをみていると、日本人にはない観点から紹介していて新しい発見があります。この間の主人と初となる日本旅行では、築地に生まれて初めて行ったのですが、東京で働いていた時ですら興味なかったのに、こちらのTV番組の影響で「絶対に行きたい!」と思った場所でもありました。




 さらに最近ではNetflixの限定番組があり、 義弟が、よく日本の番組をみています。ある日俳優の竹中直人さんが画面に映っているのに驚き、「何の番組みているの?」と尋ねたら、「Samurai Gourmet(邦題:野武士のグルメ)だよ」との答え。どうやら人気の漫画(原作はグルメエッセイ)がNetflix限定でドラマ化されたようでした。そのあと気になって、主人と一緒に観てみました。各エピソードで特定の料理がフィーチャーされていて、その最終回を観ていた時のこと。「ハヤシライス」がテーマだったのですが、そのハヤシライスの説明で”洋食”と表現し、英語の字幕で”Western Food”とあったのです。それをみて主人が”I’m confused.”と言いだしました。



 主人からすると、ハヤシライスは日本の食べ物と思ってみていたわけです。だから「Western Foodって言っているけど、アメリカにはこの食べ物ないよ」と主張しました。 私もハヤシライスは洋食であり、でも日本の食べ物とわかっていながら何も違和感をもたなかったので、「よく気付いたな」と彼の言い分に納得でした。結局日本では、西洋の技法から生まれたものは「洋食」と呼ばれるわけで、英語も“Western Influenced dish”とあれば主人も混乱することなかったでしょう。それにしても主人公があまりに美味しそうに食べる姿にそそられ、翌日ハヤシライスを作ってみたら、主人も大喜びでした。実は、前にも何度か作ったことがあったのですが、全然覚えておらず、でもこのテレビ番組のおかげで”日本の洋食”という不可思議なカテゴリーのご飯というインパクトがつき、とても楽しんで味わってくれました。



*注意* このコラムは、2018年5月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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