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No.41 本当にいた「ブライドジラ」

 




 8月初旬にサンフランシスコに住む主人の従姉妹の結婚式がマウイ島であり行ってきました。 彼女は、昔から”Bossy”と陰で囁かれる、女王様キャラ。働き者で世話好きなお母さんとちょっと気の弱そうな(頼りない感じの)お父さんと、優しいお兄ちゃんに囲まれて、恐らくワガママが許されて育ってきたのかな?と臆測しています。

 お母さんの美的センスを受け継ぎ、彼女もいつもお洒落で、デザイン関係の仕事もしていて、そこにお祝い事には殊更力をいれるフィリピンの民族性も重なり、今回のウエディングも相当力いれているだろうなと、私はかなりの期待をしていました。


 すると結婚式が近づくにつれ「今すっかり彼女は『ブライドジラ』になってるよ」というのが耳に入ってきたのです。うわっ、なんかひと昔前によく聞いた言葉!本当にブライドジラ(”ブライド “+ “ゴジラ”を合わせた造語)っているんだ?! と思ってしまいました(笑)しかし、彼女の元々の女王様キャラからいくとブライドジラになっている姿は容易に想像できたのです。


 フィリピン人の両親に育てられた従姉妹は、ユダヤ系の男性とデキ婚。式当日は、新郎&グルームズマンはユダヤ人の帽子”キッパ”を被って入場。セレモニーではワインを一口ずつ飲んだら、新婦が新郎の周りを7回周り、その後グラスを新郎が足で割る、というユダヤならではの風習があったり、新婦側のフィリピンの風習で新郎新婦が椅子に座り、長いベールとクロスのついたネックレスのようなものを2人にかけるという儀式もありました。さらには、ハワイでの挙式ということで、お互いがレイを掛け合うシーンもあり、見事にアメリカxユダヤxフィリピンxハワイの文化が融合された式でした。



 レセプションでは、オープンテーブルで各自好きな席に座るスタイルで、ブーケトスもなし。またファーストダンスでは、ハワイの結婚式、特にフィリピン系のウエディングではあるマネーダンス(ダンスしているカップルに紙幣をあげる)をするつもりで、ハワイに住むアンクルや主人は紙幣を用意しながらも、あげに行くチャンスを逃すというハプニングも(笑) 110人参列し、ほとんどが米本土からの従姉妹夫婦の友人や家族であったため、マネーダンスの風習がなく、少人数のハワイ勢が気後れしてしまったのでした。



 また、皆で円陣を組み、まず新郎新婦を椅子で担いで、その後は両者のお母さんを椅子で持ち上げるというユダヤの定番「ホーラ」ダンスも見ることができました。この時流れた曲が、日本人でも絶対聞いたことある曲で「これってユダヤの曲なんだ〜」と新たな学びもありました。



 パーティー大好き、呑むの大好き!なフィリピン系のいとこ達は、ここぞとばかりに飲み、22時以降音出し禁止という法律がなければ、永遠とこのパーティーは続いたことでしょう。式後は、新郎新婦とその仲間達は目の前の海に飛び込む、というはっちゃけぶりでした。さらには、フェイバーには2日酔いを見越して「リカバリーキット」が用意されていたというユーモアにも笑いました。ここまで新鮮で斬新でおしゃれな式をプロデュースしたブライドジラ。さすが!!!



 


*注意* このコラムは、2017年8月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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