• Miki Cabatbat

No.34パクチー万歳!!


「パクチー苦手なんだよね」と言われたら、つい「そうすると我が家には嫁げないね〜」と別にうちの誰かと結婚したいなんて言っていないないのに口からでてしまいます(笑)プエルトリコ料理は、メキシコ料理とも全く違い、日本人が食べるとどれも「初めて食べる味」と思うと思います。そのプエルトリコ料理で欠かせない材料の一つが、「パクチー」なのです。


 日本人には、好き嫌いがはっきりわかれるパクチーは、タイ料理のブームによりすっかりタイ語の「パクチー」が市民権をえました。元々料理をあまりしなかった私は、そのパクチーという呼び名しか知らず、この家に嫁いでから、アメリカでは「Cilantro」もしくは「Chinese Parsley」と呼ばれていると知りました。ちなみに、義母たちハワイにいるプエルトリコ系の人たちは「コナティージョ」と俗称で呼んでいます。 


 そこでふと、チャイニーズパセリっていうことは、中国が原産国なのか?そうすると一体中国からプエルトリコにどうやってこのパクチーが伝わったのだろう?という疑問が浮かび上がったのです。なので、パクチーとプエルトリコの歴史を紐解いてみました。

 すると、無知だった私は、パクチーが英語名は「コリアンダー」だったと知り驚き、しかも、地中海東部原産で、古代エジプトまた古代ギリシャや古代ローマで調理や薬草として使用されていたことがわかりました。


 となると、次の疑問は、地中海東部原産のものがどうやってプエルトリコに伝わったのか?です。植民地時代があったことを考えるとスペインから?と思い、スペイン留学経験のある先輩に「スペイン料理にパクチー使いますか?」と尋ねると、「使わないね。カナリア諸島の料理は使うみたいだけど」という返答。ますます謎が深まり、さらに調べをすすめると、イギリスへはローマ人からもたらされ、アメリカには、イギリスからの最初の移住者が伝えたとされています。 そして、プエルトリコも、16世紀から18世紀にイギリスやオランダの海賊に攻撃を受けていたことがわかり、私の中ではこの時にパクチーが持ち込まれたのではないかと思ったのです。 



 早速イギリスに住む友人に「イギリスではパクチーは何て呼ばれているの?」と尋ねてみると「コリアンダー」と返ってきたので、それを現地の人たちが「コナティージョ」と呼び、そして、その後ハワイに移民してきたプエルトリコ系の人たちはそのまま「コナティージョ」と呼んでいるような気がしています。 


 さらに、なぜアメリカでは「チャイニーズパセリ」という呼び名が市民権を得てしまったのかを考えました。イタリアからの移民が多いアメリカでは、イタリア料理が広まりました。同時に、中国移民が各地でチャイナタウンを作り、中華料理(中国ではパクチーは、香菜<シャンツァイ>と呼ばれ料理によく使われている)も根付きました。それで、よく似たパセリを見分けるために、「イタリアンパセリ」と「チャイニーズパセリ」となったのかな、と。これら全て私の勝手なる仮説ですが、まさか頭の中で古代ローマやら、16世紀のプエルトリコにタイムスリップして、パクチーが当時の人たちとともに国を旅しているところを妄想し楽しめるとは思いませんでした(笑)


*注意* このコラムは、2017年2月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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