• Miki Cabatbat

No.18 受け継がれる民族性



 数ヶ月前に主人がひどい風邪をひき、 病院に連れて行った時のこと。薬の処方箋を見たら、「Race : Asian Ethnicity : Hispanic or Latino」と書いてあり、思わず吹き出してしまいました。まず日本で処方箋に、人種やエスニシティが書かれることはないので、新鮮だったのと同時に、これを主人のことを全く知らない人が読んだら、一体どんな容姿を想像するのだろう?と思った次第です。


 主人に「どうしてこんな書き方されたの?」と尋ねてみると、「ナースは、僕のことフィリピン人なのは知っていたから、RaceにはAsianって入力して、それから『Hispanic?』って聞かれたから、『はい・・あっ、プエルトリカンです』って答えたら、こう書かれた」と言いました。てっきり看護師さんが、勝手に推測して書いたのかと思ったら、主人に確認した上でこうなったわかり、さらに笑ってしまいました。本来ならスペイン語のルーツをもつプエルトリコは、「ヒスパニック」でも正解なのですが、恐らく「ヒスパニック=メキシコ人」というイメージが強いので、つい「プエルトリコ人です」と言い直してしまい、看護師もつられて「or Latino」と書いてしまったのだなと思います。ちなみに、ヒスパニックも包括したラティーノでも正解です。


 人種の坩堝ハワイで暮らしていると、ついつい会話の中で、「あぁ、それは⚪︎⚪︎人だからだ」と、民族性を言動の原因にしますが、家族内でもそんな会話が行われます。例えば、主人は、仕事から帰ってくると一旦夕寝をします。それを義母は、「あの習慣は、フィリピンの血だ」と言うのです。義母が、義父ファミリー(全員フィリピンからの移民)とビーチに遊びに行くと、皆必ずシエスタをとるのにびっくりしたそうで、「うち(プエルトリコ系家族)は、そんな習慣ないのよ。あれはフィリピンの文化なんだなって思ったの」と言います。主人は、それを義母のこじつけと思っており「僕はただ仕事で疲れて、寝るだけ」と言っておりますが(笑)


 またある時、主人の親友と食事に行き、どうやら高校時代、主人と親友は学校で目立つ存在だったようで、その中でも、主人は皆から恐れられていて、さらには女子からすごいモテたんだというのです。私のどの友人に会わせても「穏やかな人」という印象しかない主人からは全く想像つかず、驚いたのですが、主人は、それに対して「あの頃は、プエルトリコの血が騒いでたみたい」と表現していて面白い!と思いました。


 また、5歳下の弟がいるのですが、性格が全く違い、義弟は完全に「ラテン」で、主人は「フィリピンとラテンが半分ずつ」といつも思います。フィリピン人男性は家庭的で、家のこともマメにやる人が多い。義父がまさにそうで、フィリピン系従兄弟たちも、感心するくらいマメです。そんな従兄弟たちと比べると、主人はあそこまでマメではないけど、やる時はやるタイプ。義弟は、全く何もやらない、また、落ち着く気も全くなくシングルライフをエンジョイ中。某ステーキレストランでバーテンダーとして働く義母方の従兄弟がいるのですが、アラフォーの彼もシングルライフを満喫中で、仕事をきちんとやりながら、可愛い女性客を見たら必ず声をかける。それがまた自然で嫌味じゃないから不思議。これぞ「ラティーノ」の見本を見せてもらっているようで(笑)、義弟には、この従兄弟と似たノリを感じています。一概に民族性で決められない部分もありあすが、それでも、一度もその土地に住んでいなくとも受け継がれていく民族性は絶対あると信じています。



*注意* このコラムは、2015年12月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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