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No.36 まさかの結婚式ドタキャン


 先月のコラムで義弟が、いつの間にかコロラドに住むゴシック・ロック系の彼女をつくっていたと書きましたが、ちょうど掲載される前夜「あの子は、ハワイには戻ってこないって」と義母から聞き、あっけなく2人の関係は終わっていたことが判明しました。それから、その直後にもう一つの恋が終わったのです。


 以前「結婚に向かないのに結婚できる男たち」というタイトルでコラムを書き、その時に登場したマウイ島に住むアンクル(義母の異父弟)が、昨年奥さんが若い男性と不倫をしていたことがわかり離婚。その離婚協議中に、昔からの知り合いであったテキサス在住の女性とつきあいだし、周囲を驚かせました。そして、ちょうど義弟の(元)彼女がコロラドからハワイの我が家に来た時と同じタイミングで、アンクルが”フィアンセ”を紹介しに我が家にやってきたのでした。そこで突然「来月ラスベガスで結婚式挙げるから」と告げられ、大慌てで義母は航空券とホテルの予約をいれたのです。 


 フィアンセは、コロンビア出身で、アンクルより15歳以上年下のバツイチ子持ち。私もお会いし、「元奥さんより断然感じは良いよね」と義母と同じ意見で盛り上がりました。しかし、誰もが「早すぎないか?」と思い、手放しでは喜べず、どこか不安を覚えながらもビッグデーを迎えました。どうだったのか気になり、その日の夜、主人と一緒に義母へ電話をし、「結婚式どうだった?」と尋ねました。すると、「キャンセルになったのよ」とまさかの答えが返ってきたのです。


 事情を聞くと、前日お互いの家族の顔合わせもかねてBBQをやることになり、義母は、ホテルのキッチンでプエルトリコ料理を作り、アンクルと一緒に待ち合わせ場所に向かいました。ところが、途中フィアンセのお兄さんから「妹になんでそんなひどいことをするんだ!」と怒りのテキストがアンクルのもとに送られてきて、一体何のことか検討がつかずにいたら、その直後彼女から電話があり、「なんで電話にでないのよ!」と怒っているのだそうです。


 要は、アンクルはベガスについてすぐにホテルで仮眠を取っていたので電話にでることができなかっただけなのに、それを勝手に無視したと相手側が思ったようでした。しかも、待ち合わせ時間についてのミスコミュニケーションがあり、アンクルと義母はだいぶ遅れていたことにもいらぬ勘ぐりが入ったようで、事態は大分ややこしいことになり、電話越しで大げんか。



 アンクルは電話を切るなり、運転している義母に「車を引き返して!」と言いだし「もうごたごたはたくさん!結婚は中止だ!」と言って、本当にそのまま彼女にも会わず、まさかの結婚式ドタキャンで、THE END。 



 こんなドラマみたいなことが実際あるなんて・・と驚きながらも、結局彼女の家族も私たちと同様今回の結婚に不安を覚えていたのだと思いました。アンクルには申し訳ないですが、なぜか皆「これでよかった」とホッとしたのでした。


*注意* このコラムは、2017年4月に「日刊サン」に掲載されたものです。

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